腹膜透析(CAPD)とは
腹膜透析は腹腔内に挿入したカテーテルを用いて腹腔内に透析液を注入、貯留させることで、毒素・老廃物と水分を除去する透析法です。
実際にはシリコン製のカテーテルを手術によって腹腔内に挿入します。このカテーテルを用いて腹腔内透析液を1〜2L注入します。
透析液を腹腔内に4〜8時間入れたままにしておくと、毒素・老廃物や水分がゆっくりとしみだしていきます。貯留した透析液を排液することで、これらが体外に除去されることになります。この透析液の出し入れ(バッグ交換)を標準的には1日4回繰り返し、毎日行います。
このことで、週3回の血液透析とほぼ同等の透析効果があります。腹膜透析は在宅医療です。透析液の出し入れやカテーテル出口部のケアは患者さまのご自宅で行っていただきます。そのかわり、通院は2週に1回程度です。また、血液透析にくらべ、血圧や体調など体に与える影響が少ないこと、食事制限が少ないことなどの利点があります。ご高齢の末期腎不全患者さんでも安心して行うことができます。
当クリニックでの腹膜透析の診療
末期腎不全の患者さまに対して腹膜透析の紹介、説明を行います。
腹膜透析に必要なカテーテルをお腹に挿入する手術および腹膜透析の開始は基幹病院と連携して行います。
病院を退院して在宅治療に移行する際、必要に応じて、入院主治医、病院スタッフ、ケアマネージャー、訪問看護師、当クリニック医師等を含めてケアカンファレンスを行い、スムーズな在宅移行につとめます。
腹膜透析を開始されたのちの通院は基本的に2週間に1回です。
受診された際に、診察、血液検査、レントゲン、カテーテル出口部の観察、処方、注射等を行います。現在透析が適正に行われているかを判断いたします。
感染症などの腹膜透析の合併症についても、可能な限り対応いたします。手術や入院が必要になった場合は、基幹病院と連携して治療を行います。